赤川次郎作を読んでたのは中3の頃。
それ以来になるが移動図書館で見つけたので借りてみた。
赤川次郎ってこんなにダークでヘビーだったっけ。
主人公は女子高生で読み口は軽いのだが、テーマが重い。
幼女連続殺人事件の犯人として死刑が執行された直後に、有罪を決定的にした証拠が捏造であるということが分かる。偽の証拠を仕組んだ本山刑事とその家族への復讐がなされる。家庭は崩壊し、家族それぞれが追い込まれていく。次女の信忍に対しては、思いもよらないところから、考えられないような手法で復讐の手が向けられる。
一方で容疑者とされた男は証拠を捏造されながら、そこに何も反論せず死刑を受け入れたのはなぜなのか。最後にその謎も明かされるが、なんだかすっきりはしない。
警察が徹底的に悪者扱いされているのだが、中学生だった頃には何も考えてなかったが、今となっては作者の思想信条とかにまで考えを巡らせてしまう。