同題で映画化されているから、てっきり長編だと思っていたが、短編集だった。このフィッシュストーリーとゴールデンスランバーの映画で斎藤和義が音楽担当だったことから伊坂幸太郎に興味を持つようになった。
「動物のエンジン」では夜の動物園で寝転がる男とシンリンオオカミ二まつわる不思議な話。
「サクリファイス」は伊坂作品のあちこちに登場する空き巣で探偵の黒澤が主人公の話。山中の村で行われている儀式に黒澤が関わっていく。
「フィッシュストーリー」売れないバンドの最後の曲の間奏部分には1分間の無音部分がある。その1分間から生まれる偶然のような奇跡の話。
「ポテチ」ここでは黒澤は脇役。黒澤と同業者の今村の彼女大西が主人公。今村の生い立ちにまつわる、最後は心温まる話。
出だしの「動物のエンジン」はとっかかりにくいが「サクリファイス」は伊坂作読者にはおなじみの黒澤が主人公であり入っていきやすい。
「フィッシュストーリー」の映画はこの原作とは大きく違っているようだ。映画も見てみたくなった。